この記録は、愛猫カロが生後わずか3か月で初めて痙攣発作を起こした日から約1年間、30回の発作を繰り返して、投薬を続けながらその発作が落ち着くまでの治療記録です。
少しでもてんかんと戦う猫ちゃん、それを支えるご家族の皆様の参考になれば幸いです。
ざっくりまとめた記事もあります↓
二回目の発作
2016年7月30日 22:00頃
初回の発作が7月の16日なので2週間開きました。
その2週間、私は「やっぱり大丈夫じゃん。そのまま忘れて思い出話になるよね」って楽観的に考えて過ごしてました。
そしたら、やってきてしまった二度目の発作。
私たちが買い物から帰ったあとで、お土産に買って帰ったダイソーの猫じゃらしをとても気に入り一人でハッスルしながら遊んでいた時でした。
その時も私は呑気にしてました。
やけに激しく遊ぶなぁ!そんなに気に入ったんだな!よかったよかった!
でもあまりにも激しい。
おかしい。まさか。
そんな気持ちで近づくと、当時手作りした段ボールのトンネルの中で暴れまわっていました。
発作の様子
トンネルの中で暴れだしたというより、一度外で暴れだして驚いてトンネルに入ってその中でも暴れまわったという感じ。
そのとき、猫じゃらしは離れた場所に放置されていました。
もしかしたら、何かが引っかかってビックリしたのかも!とも考えたのですが、トンネルから出てきたカロの様子から発作だったのだと確信しました。
全身の毛が逆立ち、ゼェゼェと息を切らしヨロヨロとヨダレを垂らしていました。
チラリと私たちを見た目つきはとても虚ろで、今でも忘れられません。
発作自体は30秒ほどでおさまりました。
うろたえる私と冷静に対応する夫
二回目の発作とはいえ、初回の発作は痙攣のみ。
今回は暴れる発作。
こんな発作があることを知らなかった私はそりゃぁもう…うろたえました。
発作中に手を出したりはしなかったものの、半泣きでした。
そんな中夫は冷静でいてくれました。
落ち着いて!とにかく群発発作が起きないか見守ろう。大丈夫!
私はメソメソしていたのに、ちゃんと群発発作のことまで考えてくれて頼りになりました。
発作後のカロの行動は、ウロウロ落ち着きがなく何度も家中を行ったり来たりを30分ほど繰り返した後、次の発作には繋がらず落ち着いて夫の膝の上で眠りました。
かかりつけ病院へ連絡
この時すでにかかりつけ病院は診察時間外だったので、翌日すぐに電話を入れました。
発作が二回目ということでまずは血液検査とレントゲン検査をしましょうとのことで次週の土曜日に予約を入れました。
三回目の発作
2016年8月1日 深夜0:30
2回目の発作から約26時間後でした。群発発作ギリギリ…。
きっかけはよくある「寝入る瞬間」でした。
発作の様子
ソファでウトウトと眠る瞬間に、少しピクピクっと痙攣したかな?と思った途端に大きく痙攣をしだし、そのまま手足をバタつかせて部屋中をのたうち回るようなかんじでした。
本当に「のたうち回る」という言葉がぴったりなくらいの発作でした。
私たちはクッションを持ち、扉等にぶつからないようにカロをガードしながら見守りました。
発作の時間は1分くらいで1回目2回目より確実に長く、なかなか止まらない発作に不安になり発作の最中に夫に
ちょっと長くない‥‥?大丈夫かな‥‥
そうだね…もうちょっと様子を見ようか…
やっとおさまった時は、カロはクッションに包まれた状態でした。
おさまったといっても瞳孔も開ききった状態で、ずっと小さく震えていました。
その様子を見ただけで涙が止まりませんでした。
発作後の様子
その後、30分はずっと落ち着かずで家中を歩き回り確認をしてました。
時にはビックリするくらい走り回ったり…。今思えばあれはまだ発作は続いていたのかな。。
優しく声をかけると喉を異様にゴロゴロ鳴らし、甘えてゴロンとするけどすぐにハッとなり、興奮して走り出す…そんな状態を30分繰り返しました。
今回もよだれを垂らしていたので、手足がよだれでベチョベチョに。
そのヨダレが胃液交じりの匂いのせいか、自分でも気になって何度も舐めて確認して、よだれで濡れたソファなども何度も自分で確認をしていました。
トイレにも何度も行き、1度目は普通に排便。(状態も正常)
その後全部屋のトイレを見て砂を掻いて回るという謎の行動も。
この時私はボロ泣き。
3度目だけど、いつもより激しくて本格的な発作で動揺してしまいました。
発作だけでは死なない。
わかってはいるけど、目の前で尋常じゃない苦しみ方をするカロを見て動揺しないのはこの時は無理でした。
検査を早めようと決意
落ち着いてから、夫と前日予約をした次週の検査を早めてもらおうと相談して決めました。
何か原因があるのであれば、早く発見してあげたい。早くどうにかしてあげたい!
そんな気持ちでした。
翌日が月曜だったので、その日にすぐ検査が出来るようにフードを下げて準備をしました。
かかりつけ病院へ連絡・検査へ
翌日すぐにかかりつけ病院へ連絡し、発作があったこと、すぐに検査を受けたいことを伝えて了承をもらい検査をしてもらいました。
血液検査・レントゲン検査・糞便検査
とりあえずその時できる検査をすべてやってもらった感じです。
ですが、異常はなにもなし。数値的には健康そのもの。
けいれん発作の原因で血糖値の異常な低下で発作を起こすことがあるとその当時調べていて、カロは土日になるとフードの食いつきが下がる傾向にあったので確認もしましたが血糖値も正常。
原因がわからず、先生からは「てんかんだろう」という診断でした。
この時に、MRI検査の説明も受けました。
血液検査やレントゲン検査をして異常なしだったので、あとは消去法で脳に異常があるかもしれない。
脳腫瘍・血栓・脳の奇形・水頭症…様々な可能性がある。
でもそれを調べるには全身麻酔でのMRI検査が必要で、MRI検査を受けるためには全身麻酔を受けられるかの検査も必要になってくる。
この時カロはまだ生後4か月弱。
こんな小さな子にそんなしんどいことはさせられない。
私達も先生も同じ気持ちでした。
当時のカロ↓
小さかったです…。
だってまだ生後3~4か月ですから…。
ついに投薬開始
3回目の発作を経て、2.3回目の発作の間もわずか1日しかなかったため、このままではどんどん発作が起きてしまうだろうとのことで、ここでついに投薬が始まりました。
発作が続くと癖になってしまって発作を繰り返す可能性が高くなり、特に子猫の場合は脳への負担が大きいから今はとにかく発作を止めましょう!とのことでした。
ここで先生が選んだのがゾニサミド。
当時はエクセグランといって、人間用の抗てんかん薬を体重に合わせた量を処方して貰ってました。
その時まだ動物用が開発されていなくて人間用しかないと説明を受けました。
まだ体が2㎏弱と小さかったため、錠剤を砕いて粉状にするしかなく粉末の薬でした。
それが超~苦いらしく…。嫌がれるかも…とまで。
そして、投薬が開始されると生涯飲み続けることが殆どだということも説明を受けました。
発作がおさまったとしても、薬を止める判断はなかなか難しいとのこと。
実際、発作がおさまって約4年経ちますが薬は継続しています。
本当に難しいですが・・・
はじめての投薬
粉状だったため、知識もなくただフードに混ぜるしか思いつかずウエットフードに混ぜて与えました。
まだ少量だったためバレることなく飲ませることには成功。
ただ、カロが当時からウエットフードに対して飽きっぽいというか好き嫌いが激しかったため食べてくれないことも多く苦労しました(^_^;)
その時に活躍したのが定番のちゅ~ると3時のムースというペースト状のオヤツでした。
薬の量がグンと増えるまではこの手法でなんとか飲ませることが出来ました。
これはちゅ~ると同じくらい食いつきがよくて飽きっぽいカロも好きでした。
ちゅ~るだけだと飽きちゃうという子におすすめです。
当時を振り返って
当時は初回の発作から間隔も空いてたし、その時受診した先生からも「小児性のてんかんは良性が多い」なんて話も聞いてたから「大丈夫大丈夫~」なんて本当に呑気に考えてました。
2回目の発作で初めて本格的な全身発作を目の当たりにして、
「こんなに苦しそうなのに意識がないとかウソでしょ?!」
って思いましたし、動揺が隠し切れなかったです。
なんとかしなきゃ、なんとかしてあげなきゃって使命感も強くなると同時に、焦りもありました。
なんとかしてあげたいのに、発作中は何もしてあげられない。
すごくもどかしくて、不甲斐なくて一人で落ち込みました。
でも辛いのはカロだし、私が悲劇のヒロインぶって泣いてても何も意味がないと気づいて(というか夫に現実に引き戻された感じ)次の発作時にはだいぶ落ち着いて対応が出来るようになったんです。
発作が続いて、猫ちゃんが辛そうなのを目の当たりにして飼い主さんも本当に大変かと思います。
でも私たちがしっかりしなきゃいけないんです…。
どうか、前向きに、猫ちゃんの前では強く居てあげて下さい。
偉そうにすみません…。
この記録が、誰かの救いになりますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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