このページでは猫の「てんかん発作」について説明しています。
そもそもてんかんって何なのか?という基本的なお話から、てんかんの種類と症状、原因やきっかけ、発作が起きてしまった時の対処法などを説明しています。
※ただの一人の飼い主である私が、かかりつけ医や救急センターの先生に聞いた話・自分で調べたことを忘備録的に纏めたものになります。
「てんかん」ってなに?
「てんかん」はてんかん発作を繰り返す脳の病気で、年齢、性別、人種の関係なく発病します。
てんかんinfoより引用
私が先生に聞いて理解したイメージとしては、
頭の中の脳波が正常時は静かな脳波だけど突然の脳波の乱れが起きて発作が起きるという感じ。
実は猫のてんかんは人や犬に比べ発症率は低く、100頭に1頭以下の発症率と言われているくらい珍しいんです。
「てんかん発作」の症状の種類
てんかん発作の症状には
名称は様々ありますが、大まかにこの2つにわけられます。
全般てんかん発作(全体発作)
脳の全体が興奮して起こる発作です。
このような症状があります。
苦しそうな様子はありますが、実は発作中は意識はありません。
YouTubeなどで「てんかん動画」と検索すると出てくる動画の殆どが全般発作の映像かと思います。
焦点性てんかん発作(部分発作)
脳の一部分が興奮して起こる発作です。
興奮が起きた場所によって発作の症状が異なります。
全体発作にくらべ、発作中は意識があります。
軽い発作なのでなかなか発作として認識されにくい症状もあります。
このような症状がありますが、焦点性発作から全般発作に移行する場合もあります。
てんかんの症状のレベル(群発発作と重積発作)
全般発作の症状は通常1~5分で落ち着きます。
そして、一般的に通常のてんかん発作で命を落とすことはありません。
ですが以下のような重篤な発作が出た場合は注意が必要です。
特に重積発作には要注意です。
5分以上発作が続くと脳などへの後遺症のリスクが高まると言われています。
そしてそのまま発作が続くと、命に関わります。
ここまでのまとめだニャ。
続いては、てんかんの”根本的な原因”を見ていきましょう。
「てんかん」の原因と種類
症候性てんかん(構造的てんかん)
脳の構造に異常が見られるてんかんです。
猫のてんかんは、この「症候性てんかん」がほとんどだそうです。
原因は脳炎、脳腫瘍、水頭症、外傷によるなんらかの脳疾患などがあげられます。
特発性てんかん
脳の構造に異常がなく、脳の神経細胞が過剰に興奮して起きるてんかんです。
てんかん発作の症状があり、MRI等の検査ではっきりわかる異常がない場合に、「特発性てんかん」と診断されます。
猫がこの特発性てんかんが発症するのはごく稀だそうで、原因もハッキリとは解明されていないようです。
よく言われるのが、過度なストレス、神経質な子がなりやすいと言われています。
脳波検査、脳脊髄液検査、MRI検査などで「症候性」なのか「特発性」なのか判断をします。
この、脳に異常があるか・ないかで治療法が変わってきます。
その他の「発作」
発作は発作でも脳以外の異常でおこる発作のことを「反応性発作」「誘発性発作」と言い、てんかん発作とは違うものとされています。
てんかんではないけど、痙攣などの発作を引き起こすことがあるんです。
ただし、上記が原因で発作を繰り返しているうちに脳に異常が残ってしまい「症候性てんかん」に繋がる場合もあります。
ここでもおさらいをするニャ
つぎはてんかん発作の前兆やきっかけについて説明していきます。
てんかん発作の前兆はあるのか?
てんかん発作は突然起きることが多いですが、前兆がある場合もあります。
よくある前兆としては
などがあります。
天気の悪い日・気圧が下がる日などに発作を起こしやすい子が多いようです。
低気圧になると猫も体調を崩す?「天気と」と「猫」の関係性を調べてみた!
発作のきっかけ(反射性てんかん)
突然おきる発作でも、何かがきっかけになり起こる発作があります。
それを反射性てんかんといいます。
きっかけはさまざまありますが、もし分かれば予防することもできますので発作の前の状況など覚えておけるようにしましょう。
カロの場合もきっかけがありました。
ガスコンロの点火音や金属音など高音の連続音が苦手です。
いろんな用語が出てきて混乱してないかな?
てんかん猫の寿命はどれくらい?
薬でうまくコントロールさえ出来れば、健康な猫ちゃんと同じように寿命をまっとうできるようです。
我が家のカロも合う薬に出会えて、発作は4年起きていません!
てんかんに年齢・猫種は関係している?
年齢によって、原因が分かれることもあるようですが一概には言えないようです。
私の調べた上での印象ですが、高齢猫ちゃんが「反射性てんかん」を患う確率が高いイメージです。
さまざまなお話を見て、高齢猫ちゃんに音に敏感に反応している子が多いように感じました。
そして年齢を重ねると心臓疾患などの病気になりやすく、そこから発作に繋がる子も多いようです。
かかりやすい猫種は特にありません。
もしも「てんかん発作」がおきてしまったら・・・
もし、目の前で大切な猫ちゃんが痙攣などをしていたら…焦りますよね。
でも、とにかく落ち着いてください。
初めて発作を目の当たりにすると驚いてパニックになってしまうと思います。
全般発作は発作中に意識がないので、どんなに苦しそうにしていても「苦しい」という感覚はないそうです。
そのため、私たち飼い主が冷静に落ち着いて見守ることが大切です。
つぎは発作中に私たちがしてはいけないこと・するべきことを紹介します。
てんかん発作中に私たちがしてはいけないこと
などが挙げられます。
その時の環境を大きく変えるような行動は、刺激を与えてしまうのでNGとされています。
発作中は大暴れしているのでむやみに手を出すと嚙まれたりと私たちが怪我をしてしまうのでやめましょう。
てんかん発作が起きたらするべき行動
※1 けいれんが始まる前に出来たらで大丈夫です。けいれん中に無理に降ろすのは危険なので、その場合は落ちてしまった時に怪我をしないように周りをクッションで囲ってあげるなど対処をしましょう。
通常の発作で命を落とすことはありませんが、階段から落ちてしまったり、高い位置から落下した際に頭を強く打ってしまったりと二次被害で命を落とす危険があります。
※2 主に発作にかかった時間、どんな症状の発作なのか、発作を起こしたときは何をしていたか(飼い主含め)、発作の前は変わった様子はなかったか、など詳しく記録しましょう。
一番良いのはカメラで一部始終を撮影することです。撮影してしまえば、発作の時間もすべて記録できます。
よく「そんな辛そうなのに撮影するなんて・・・」という方もいますが、撮影することは記録になるので良いことです。獣医師に相談する際にその動画を見せればすぐに判断してくれたりします。
とにかく大事なのは、刺激をせずに怪我をしないようにサポートしてあげることです。
てんかん発作後の手当て
発作後は、正常と思われる状態になるまでに数分から数日かかる場合もあります。
発作が終わった後は何事もなかったように普段通りに戻りますが、数分興奮状態が続くことも多いです。
その例として、突然ご飯をバクバクと食べだしたり、家中を探りながら動き回るなどがあります。
私たちができることは、猫ちゃんが早く落ち着けるようにやさしく見守ってあげることです。
カロは発作の直後は「何があったの?」と自分に驚いている感じでした。
てんかんの治療法は?
「症候性てんかん」か「特発性てんかん」かで治療法も変わります。
症候性てんかんの場合は、原因に適した治療が必要になります。
特発性てんかんの場合は、抗てんかん薬の内科療法が主になります。
抗てんかん薬には複数種類あり、副作用があるものもあります。
投薬中も様子を見ながら、その子に合った薬をさがしていきます。
てんかんは、実は完治する病気ではありません。
発作の回数を減らすことが治療の目的となります。
治療の最終目標は3か月に1回程度まで抑えること、とよく言われています。
その状態になるまで、数年かかることもあります。
数年かかって最終目標にたどり着いても、薬は一生飲み続けることがほとんどです。
ただし、症状が良くなったからといって勝手に判断をして投薬をやめたり減らしたりすることは絶対にしないでください。
てんかん発作で悩む飼い主のみなさまへ
カロは2017年3月の発作が最後で、今のところ発作を抑えられている状態です。
ですが今でも薬は欠かせません。
今でも不安がないかと言ったらそんなことはありません。
発作の頻度も多い時で毎日、それが1週間に2回、月に1回と徐々に間隔をあけられて今に至ります。
「治らない」と言われ、絶望するかもしれません。
何度も発作が起こって、辛そうに苦しむ我が子を見て「どうして治してあげられないんだ」と自分を責めてしまうかもしれません。
辛いかもしれませんが、それでも諦めずに支えてあげてください。
「この子はあなた達と出会っていなかったら死んでいたかもしれない。
今あなた達のもとでこうしてできることをしてあげているから、今があるんですよ。」
かかりつけの先生に頂いた言葉です。
いつ発作が起こるかわからない状況で不安で、色々やっても効果が出ずとても悩んでいた時期でした。
病院で大号泣して、カロのためにまだまだ頑張ろうと改めて決意したときでした。
今はあの頃に比べたら驚くほど穏やかに生活ができています。
大丈夫!なんて言われても今はまだ何も響かないかもしれませんが、こうして苦しんだ日々を脱出した猫もいるんだな、まだまだやれるかな、と少しでも思っていただけたら嬉しいです。
おすすめの文書・獣医師さんのリンク
カロがてんかんになったときに勉強させていただいた文書や獣医師さんになります。
どれも飼い主さんに寄り添ったような内容ですのでとても参考になりますよ♪
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